地方自治法第100条について。

今回はちょっといつもと趣向を変えて法律の深掘りをしてみたいと思います。
地方自治法第100条について、です。
このブログでもお話したことのある「100条委員会」は有名です。が、地方自治法第100条の中にその委員会の事は書かれておらず、実際「100条委員会」という特別委員会の設置については地方自治法第110条に書いてあります。では、100条には何がかかれているのかというと議会の持つ「調査権」ということについて詳しく書いてあります。
条文はこのブログの一番後にコピペしておきますが、長いしややこしいので阪南市に置き換えて簡単にまとめますと、こんな感じになります。

(1)阪南市議会は阪南市の仕事の調査をし、「関係する人」を出頭・証言など請求できます。

(2)その証言の請求は民事訴訟の証人喚問の規定を準用します。ただし罰金や拘留などは除きます。

(3)出頭などの請求を受けた人は正当な理由なしに拒むと禁錮(6カ月以下)または罰金(10万円以下)。

(4)「関係する人」が官公庁の場合、職務上秘密の事実はしかるべき手続きを経て請求を拒否できます。

(5)議会は前項で拒否された理由がダメなときはその官公庁に声明を要求できます。

(6)前項の声明は20日以内に。

(7)証人喚問のときにウソの陳述をすると禁錮(3カ月以上5年以下)。

(8)ウソの陳述をした人が調査終了までに自白した時は刑を軽減できます。

(9)議会は上記3項・7項の罪については告発しないといけません。ただし8項の自白した時にはしなくても大丈夫です。

(10)「関係する人」が阪南市内の団体の場合も対応してください。

(11)議会は上記調査を行う場合は先に予算を決めてください。

(12)議会は議案や議会運営について調整してください。

(13)議会はその調整・調査のために議員を派遣することができます。

(14)それについて、阪南市は阪南市議会に政務調査費を交付できます。

(15)その政務調査費を受けた議員は収支報告を議長に提出。

(16)政府は阪南市に関係する政府の刊行物を送付しないといけません。

(17)大阪府も阪南市に公報などの刊行物を送付しないといけません。

(18)議会は議員の調査研究のために、図書室を作って上記16項・17項の書類を保管しないといけません。

(19)この図書室は一般の人にも開放が可能。

(100条の2)阪南市議会は議案審査や調査のため、専門分野を学識経験者などにさせることができます。

こんな感じです。
すごい長い条文なんです。そして1~15項までと16~19項が全然内容が違います。

これが18項に規定されています、阪南市議会の図書室です。色んな資料がありますが、この図書室、普段は一般開放していません。
もし見たい書類があれば、議会事務局に声をかけていただき、しかるべき手続きをして開けてもらってください。
そういや、和歌山市議会の図書室は一般開放されていたなぁ、と思い出しました。

以上、今回は地方自治法第100条の勉強でした!

以下、地方自治法第100条をコピペしておきます。

第百条

1.普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行い、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
2.民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。但し、過料、罰金、拘留又は勾引に関する規定は、この限りでない。
3.第一項の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
4.議会は、選挙人その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立を受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言又は記録の提出を請求することができない。この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疏明しなければならない。
5.議会が前項の規定による疏明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。
6.当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人その他の関係人は、証言又は記録の提出をしなければならない。
7.第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。
8.前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる。
9.議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。
10.議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
11.議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、予め、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。
12.議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。
13.普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができる。この場合において、当該1政務調査費の交付の対象、額及び交付の方法は、条例で定めなければならない。
14.前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。
15.政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
16.都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
17.議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。
18.前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。

第百条の二

普通地方公共団体の議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のために必要な専門的事項に係る調査を学識経験を有する者等にさせることができる。

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