和歌山市の産業廃棄物処理施設

和歌山市、
しかしながら
阪南市の男里川・山中川の上流に計画されている
産業廃棄物最終処理施設の
事業計画に対して、
去る11月20日、
阪南市自治会連合会(阪南市全体の61自治会の連合)
から
和歌山市長に対して
要望書が出されました。
当日は
自治会連合会会長はじめ
阪南市長も同席し、
阪南市の切実なる思いを和歌山市に訴えていただきました。

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本文は
以下の通りです。
とても
良くできた(といったら僭越ですが)文章で、
まさに阪南市が抱える問題を
網羅・統括してくれています。
阪南市民の皆さん、
一度しっかりと
ゆっくり
読んでみてください。
以下本文です。

和歌山市長 尾花 正啓様

産業廃棄物最終処分場に対する要望書

私たち阪南市自治会連合会としては、事業申請者が和歌山市上黒谷地区に計画している産業廃棄物安定型最終処分場の概要説明を行って以降、一切の情報の開示がされておらず大きな不安を抱いている。
さらに、事業申請者より生活環境調査実施計画書が貴市あて提出された旨の報告を受けた。
我々としては、大阪府と和歌山県の府県境に計画されている安定型処分場といえども、下記の理由から到底認めることができない。
ついては、和歌山市長として関係する地域住民の要望を真摯に受け止め、産業廃棄物最終処分場の設置の許可を行うことがないよう、強く要望する。

1. 阪南市に居住する私たちは大阪府民です。大阪府においては、環境影響評価条例が制定されており、今回計画している規模の事業の場合、環境影響評価の手続きにより科学的かつ客観的に事業に対する「安全」を論証されなければならない。また、大阪府の環境影響評価の手続きでは、事業者は方法書の段階から住民の意見を聴取しなければならず、また私たち地域住民は意見書の提出や公述する機会も保証されている。
しかしながら、和歌山市においては大阪府と同じ条例がないということで、私たち阪南市の住民は、今回計画されている事業について、大阪府民に保障されている権利を享受できない事態となっている。
今回のように広範囲にわたって地域住民に多大なる影響を及ぼす西日本最大の産業廃棄物処理施設については、環境影響評価の手法により、科学的かつ客観的に「安全」を論証されるべきであり、その体制を整備していない和歌山市が許可することは、地域住民として到底納得が出来ないものである。
少なくとも、他府の私たち阪南市住民の生活に影響を及ぼす事業計画は白紙撤回し、第3次和歌山県廃棄物処理計画に記載されている「和歌山県越境移動に関する指導要領」の方針に基づき、関係する地域住民が科学的かつ客観的に「安心」を得られる制度を確立したうえで進めるべきである。

2. 東海・東南海・南海地震の発生確率が高いと言われている中にあって、計画地の近くは第1級の構造線で、なおかつ活断層中央構造線の一部である根来断層があり、群発地震の巣ともなっている。貯蔵構造物が地震により崩壊すれば、埋設している廃棄物が下流域に流出するのは明白であり、産業廃棄物処理場の立地としては不適切である。

3. 計画されている処分場は、10.81haという広大な面積で、事業に伴う生活環境への影響は阪南市域に及ぶと考えている。特に昨今のゲリラ豪雨などの発生を考えると、山林伐採と埋め立てによる山中川流域への水害が心配である。さらには、処分場からの進出水及び浸透水による山中川・男里川流域・大阪湾への水質汚染などを非常に懸念している。

4. 万一計画を許可された場合、法に定める安定5品目の持ち込みに際しては展開検査が義務付けられているが、過去に設置されている処分場の実情や裁判事例などからも、汚染物質の付着や腐敗性・可燃性・反応性のある物質をもった産業廃棄物の混入が確認されている。全量展開検査とあるが、このような物質の分別確認および除去は不可能であり、雨水や湧出水などに溶けだした有害物質により、山中川への水質汚染と農業用水への影響が計り知れない。また有機物の腐敗発酵などによる悪臭、さらには廃棄物同士が混ざり合い化学反応による火災爆発などの危険も学識者の識見もある。

5. 事業者との協議で、工事車両及び廃棄物搬入車両など事業に伴う車両は阪南市側を通行させないとなっているが、その約束が反故にされ収集トラックなどが我々の地域を通行するとなれば山中渓地区はもとより阪南市域の騒音や土埃、交通安全などによる地域住民の生活環境への影響が計り知れない。

平成26年11月20日
阪南市自治会連合会

以上です。
皆でしっかり考えていきましょう。
以下、過去のブログ記事
産業廃棄物最終処分場計画地の現地視察(2014年1月19日)
産業廃棄物研修会(2月21日)
和歌山市へ要望(4月17日)
産業廃棄物に係る市民活動(6月29日)

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