住民センターあり方検討審議会の「答申(素案)」が公表されています。

住民センターあり方検討審議会の第8回の資料が市のホームページにアップされています。

このブログの最後にその「答申(素案)」をコピペしておきます。素案なんで、おそらく11月9日の会議ではこの内容について審議され、内容が変わった部分があるかもしれません。それらは追ってこのブログでお伝えします。

総じて答申がどういうことかというと、

今後の43ある住民センターの(地域移譲に向けた)使い方については、各地域の実情に合わせて、地域主体でを話し合って決めてね。

以上です。これから各地域の実情や近隣自治体の状況を研究調査するようです。また議会・委員会でじっくりお聞きしたいと思います。

以下コピペ

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≪答申≫
住民センターを将来にわたって持続可能なものとするため、慎重に審議した結果、配慮すべき事項を以下のとおり付し答申とする。

市におかれては、
(1)43カ所のそれぞれの住民センターが設置された経緯、地域の実情、今後の見通しを十分に整理、把握されたい。
(2)必要とされる具体的な対策や支援策については、〔別紙資料〕「(仮称)課題と解決策・支援策」に掲げる次の各分野の解決策・支援策を十分に整理、検討し、ハード・ソフト両面で必要な対策、支援策を講じられたい。(①地域のつながり ②学びの場 ③健康づくり ④住みやすい地域 ⑤子育て・教育 ⑥安心・安全な地域 ⑦活気のある地域 ⑧建物・設備・立地 ⑨持続可能な運営手法 ➉住民センターの担い手)
(3)具体的な取組に着手する際には、(1)(2)についての対応を講じたうえで、それぞれの地域と丁寧な議論を重ね、地域の理解を得ながら進められたい。

市民におかれては、
地域の拠点施設は地域住民で協力して運営していくとの意識を持ち、主体的に住民センターの運営について地域内で議論、検討されることを期待する。
また、審議会で重点的に議論を行った項目について、次項以下のとおり意見を申し添える。

1.運営について(ソフト面)
住民センター運営を持続可能なものとする方策の一つとして、運営主体の育成や運営財源の確保に関する行政の支援、また、利用制限の見直しや地域自身での見直しが必要である。
(1)運営の主体について
少子高齢化、人口減少が同時進行する中、自治会加入率の低下が見られるなど、地域活動の担い手の確保・育成が課題であり、地域自治の維持、強化の観点からも拠点運営を重視しつつ、以下の検討とそのための協議の支援が必要である。
① 各種団体との共同運営や広域化
自治会以外の社会福祉団体やNPOなど地域で活動する各種団体、また地域外を含めた様々な活動団体と共同・連携による運営、さらには隣接する自治会との広域共同運営について市・地域で検討し、地域の実情に応じた支援策を講じられたい。
(2)運営財源の確保について
市の方針とする住民センターの運営に係る維持管理費の地域負担による自主運営への転換に向けては、光熱水費や修繕費の負担などに対応する運営財源の確保は、必要不可欠な要素である。他の自治体における、集会所を自主管理・自主運営している町会・自治会では会員からの月会費と、地区外利用者からの使用料を財源に集会所を運営し、会員の都度使用料は無料にしている事例が多い。こうした事例を参考にしつつ、以下の点について見直し、支援が必要である。
① 使用料収入の地域移譲
現在、使用料収入の10%を指定管理者である自治会に還元しているが、運営主体の財政基盤の確立のため、使用料収入を運営主体のものとされたい。その措置によって、利用者増加に向けた運営者のさらなる創意工夫を促すためのインセンティブ(誘因)にもなる。
② 利用者負担の適正化
運営主体の財源に資する使用料については、移譲までの間、住民センター条例施行規則の一部改正による利用制限の緩和を行うとともに、減免制度を見直し、利用に係るガイドラインを作成して利用者負担の適正化を図られたい。
③ 地域活動団体補助金のあり方検討
市が地域で活動する各種団体に交付している補助金について、より柔軟に地域の実情に合った活動や困りごと、課題に即応できるようあり方を含め、再構築を検討されたい。
④ 他自治体での先進事例の情報収集と研究
他自治体で実施されているコミュニティビジネスの先進事例の情報を収集し、運営資金確保方策の研究、実践に向けた支援を行われたい。
(3)維持管理コストについて
光熱水費や設備の点検費用など各住民センターにかかる維持管理コストは、利用頻度や施設の状況によって、施設毎に大きな差が生じている。様々なサークル活動や祭礼などで利用率が高い施設がある一方で、年間で数回程度と利用率の低い施設があり、光熱水費などのコストについても施設毎に大きく異なり、消防や浄化槽清掃にかかる点検費用も、施設や設備の大きさ、整備年次の違いなどにより、施設毎に差が生じている。こうしたなか、維持管理コストの施設間の差の最も大きな要因が、空調設備に係る電気代の基本料金にあるため、以下の必要な対策を講じられたい。
① 総合的な維持管理コスト低減策の研究・支援
施設の使用実態に応じた空調設備のあり方や電力契約の変更等をはじめ、他の光熱水費や維持管理コストの低減方策について、情報収集と施設毎の分析を重ね、施設改修の支援を実施されたい。
② 激変緩和措置の導入
(2)で述べた「使用料収入の地域移譲」などの対応を講じつつ、自主運営への転換後、地域の急激な負担増を避けるため、地域の実情を踏まえた激変緩和措置を講じられたい。

2.施設について(ハード面)
43カ所の住民センターの内36カ所が災害時の避難所に指定されている。また、26カ所が旧耐震施設基準の施設であり、最初の住民センターが設置されてから48年が経過するなか、施設の老朽化対策、耐震補強は喫緊の課題である。また、空調機器入替やトイレの洋式化が進まないなど、設備面でも課題が多い、こうした状況を踏まえ、市財政が非常に厳しい状況にあるなかで、安全で安心な施設の確立に向けた計画的なハード強化の対策を強く求める。
(1)安全で安心な施設の確保について
施設利用の活性化には、安全で安心して利用しやすい施設へ改修することが大切であることから、避難所機能などそれぞれの施設の状況に応じた施設改修について、地域と密接な意見交換を行われたい。また、将来の地域移譲を視野に入れて、ハード対策の制度構築に取り組まれたい。
(2)空き家の利活用など柔軟な施設活用について
地域によって住民センターの立地、利便性が異なっており、施設の耐震化確保と利便性向上の両立を図れる可能性がある空き家を住民センターとして利活用するなど、柔軟な施設の利活用について、市として対策を検討されたい。
(3)施設の整理統合について
共同運営や空き家の利活用等により不要となる住民センターについては、それぞれの住民センター整備の経緯を踏まえ、転用や売却を検討する際にも、地域の実情に配慮されたい。

おわりに
少子・高齢社会の中で、多様な市民が活力と個性をもって生き、だれひとり孤立することのない共生社会をつくることが求められている。その中で住民センターは、コミュニケーションや共に学び癒やし合う「つながり」の場として、これまで以上に重要な役割を果たすものと考えられる。また、災害時における避難や情報交換の場所としての重要性も高まってきている。一方、これまで住民センターは市の定めた古いルールのままとなっており、多様な利用がしにくかった。施設も老朽化が目立っている。本審議会はこのような観点から、住民センターに関する現状の問題点と課題を整理してルールを見直す提案を行った。あわせて、機能や役割を新しい視点で分析し、今後の利用の方向性を提案した。市はこの方向で住民センターを支え、発展させてゆくことを期待する。

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