【財政特集】阪南市は本当に財政再生団体(倒産)寸前なのか、行財政を徹底検証。その(4)※結果→破産寸前ではありません!

財政特集の第4回です。今回の特集の最終回です。

その1はこちら・・・(1)財政指標について

その2はこちら・・・(2)財政規模と人口減少について

その3はこちら・・・(3)積立金と借金について

(1)では、阪南市の財政指標を他と比較し、良くない数字もあれば比較的良い数字もある。阪南市は財政的には脆弱ですが将来負担比率を低く抑え、子ども達にできるだけツケの回さないように運営していることが分かりました。(2)では高石以南の財政規模について考え、迫りくる人口減少超高齢化について考えました。(3)では貯金と借金について考えました。各市町の歴史と現実が数字に詰まっておりました。さて、最終回の第4回目は「公務員のお給料」を検証したいと思います。

高石以南8市の職員給料と給与はこちらです。表をクリックしてみて下さい。

公務員給与全体の指標は「ラスパイレス指数」といって第1回の時に勉強しました。

よくラスパイレス指数の話題で「なんで阪南市のラスパイって下がらないんですかねー」と聞くと「いやぁー、阪南市の職員は割と平均年齢が高いのでお給料高いんですよねー」と答えが来ます。もちろんそれも理由の一つですが、一概にそれだけではなさそうですね。

表の中で「給料」「給与」があるのを説明しておきます。「給料」とは基本給の月額。「給与」とは給料に毎月支払われる扶養手当、地域手当、住居手当、時間外勤務手当などのすべての諸手当の額を合計したものです。一般行政職で手当てが7万~10万円あるということですね。

次の表を見ていただきます。

これは阪南市の行政職員の級別のお給料です。役職によって基本給が上がっていきますし、役職の中でも1号給から最高号給まで段階的に上がっていく感じです。

この給料体系は条例で決まっており、また別に人事院から民間企業従業員の給与水準に合わせた基本給与の勧告が行われます。実際の民間と給与が均衡してるかどうかは今回は触れないでおきます。

最後にオマケですが、もう一つ表を見てもらいます。

市長、副市長、議員など特別公務員の給料、報酬です。数字は去年の4月時点ですので、阪南市長は選挙で交替し給料の減額を実施しています。

阪南市の議員は月額46万円です。これ以外に泉南清掃事務組合議会や広域消防組合議会などの議員は手当てが出ます。総じて阪南市の職員で言う所の主幹~課長代理あたりと同じ額の報酬ということになります。

【財政特集】阪南市は本当に財政再生団体(倒産)寸前なのか、まとめ

たくさんの数字を見ていただきました。数字の不得意の方は頭から湯気が出たと思います。

この特集を総括して3点まとめておきたいと思います。

【1】阪南市は倒産寸前ではない。

阪南市は市長が言うように「倒産寸前の危機」ではありません。もちろん税収も少ないですし、人口も減って高齢化も進み、財政的には脆弱ですので、決して悠長なことを言っておれませんが、よくない数字をピンポイントで抽出して市民の焦燥感や危機感を煽り、市民のやる気や地元愛を萎えさせるのはいかがなものかと思います。これから市民みんなで協力して、知恵を出して、我慢できるところは我慢して、公のために、子ども達の阪南市のために進んでいかなければいけません。色んな施策を「具体的に」打ち出していかなければいけません。その一つ一つを丁寧に市民に説明し、理解を求め、一歩ずつ和を以て進む以外の道はありません。

【2】各市町単位ではなく連携すること。

高石市以南の8市4町で考えると堺市とほぼ同規模。それに加え関西空港や豊かな海・山もあり、気候も安定している。こんな住みやすい地域はありません。福祉、医療や消防、都市計画など少しずつ広域連携の動きは出てきているとはいえ、もっとグローバルに将来を見据えた動きを進めていかなければいけません。もちろん各市町のアイデンティティは守りながら、広域連携できるところはガッツリやる、無駄を省いて「悪い忖度」「悪いプライド」「悪い習慣」は取り除く、これが理想のカタチです。

【3】良い人材を育む環境と官民連携

大阪府下全域で身を切る改革ブームですが、行き過ぎた給料カットは次の世代を育てません。人数を徐々に減らし、かかる経費を削減する方法が将来を見据えたやり方です。民間でできることはできるだけ民間にお任せし、「役所よし」「民間よし」「住民よし」の三方よしの自立できるシステムを構築しなければいけません。今こそ出る杭を上に引き上げる意識改革が必要です。

以上で今回の特集は終わりです、お疲れ様でした。途中から脱線した感もありますが、財政の話は定期的に続けていきたいと思います。

 

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