子育て拠点整備特別委員会に。委員会総意で、根拠なく突き進む市長に「待った」を。

子育て拠点整備特別委員会が開催されました。結果として、今回説明された「子育て拠点再構築方針(案)」については了承せずに、そのまま「案」として継続審査し、委員会として要望した項目についてクリアしてから「案」をとるように、という結論に至りました。

詳しく説明いたしますが、先にお間違いないように申し上げます。

今回の委員会の判断は市政を滞らせたり、逆戻りさせたりするものではなく、前向きに進めるための手続きです。ので、後で詳しく説明します「子ども達の安全を守ること」については1秒でも早く進めていただきたいと思います。そこだけお間違えの無いように、よろしくお願いします。

さて、それでは中身についてお話します。まず冒頭私は、今回の特別委員会は子育て拠点再構築方針が「素案」から「案」になり、そして本日「市の方針」として決定する大切な会議になるので深く議論をしたい、ということを申し上げました。それを前置きしたうえで、以下の質疑答弁です。(ちょっと長いですが、大切な議論ですので、お付き合いください)

子どもの安全

Q.石田・下荘保育所は、応急処置のスケジュールを早めていただいたことは大変感謝するが、その他のブロック壁などについての指摘事項についての対処は?

A.(部長)現在応急処置については10月臨時議会に補正予算を上程予定。ブロックについても検討を進めている。

Q.尾崎保育所の令和4年新築移転までの「当面の危機」に対する対応は?

A.(課長)避難訓練などソフトで対応。

Q.尾崎保育所の保護者説明会で「未耐震」などの十分な説明をしたのか?

A.(課長)施設の現状については説明した。

Q.尾崎保育所の保護者は未耐震の建物で令和4年までソフト対応で納得したのか?

A.(課長)そのことに対する質問・意見はなかった。

Q.尾崎保育所の「当面の危機」に対する対処もしてほしいが市長は?

A.(市長)安全安心は一番大切で、ご意見はその通りだ。

【上甲メモ】対処してくれるということでしょうね。

Q.はあとり幼稚園の遊戯室の未耐震について、素案からの何か変更点は?

A.(課長)耐震補強工事の前倒しを検討したが、もとの計画(令和2年設計、令和3年の夏休みに工事)から変わらない。

Q.子ども達の安全を本気で考えたら、はあとり幼稚園は昨年から使う方向性であった。国費の補助などを加味するとこのスケジュールだということだが、それなら何故もっと早くに着手していなかったのか?

A.(市長)今まで「はあとり幼稚園を使う」ということも含めて市議会と議論を進めてきた。私たちは速やかにこの計画を推進していきたい。

Q.答えになってない。なぜ(早くに着手)できなかったのか?

A.(市長)これまでの議論をしていただいている財政健全化計画・行財政構造改革プランなど、非常に厳しい中で、子ども達の安全安心をしっかり守れるような仕組みを作るなかで計画を進めてきた。

Q.答えになってない。なぜ(早くに着手)する判断に至らなかったか?

A.(市長)子どもの安全を考えていないということではない。はあとり(遊戯室)の耐震性能は0.58(安全基準は0.6以上)で不十分だけど使えると判断した。

Q.子どもの安全をワガゴトとして考えてほしい。はあとり幼稚園の耐震工事と大規模改修工事を一緒にやった時と、分けてやった時のコストの差はいくらか?

A.(課長)コストの差は算出していないが、耐震工事だけなら2,000万~2,500万円。

Q.改めて、はあとり幼稚園の遊戯室だけ耐震を前倒しすることを考えられないか?

A.(市長)よりよい改修をすべきだろう、ということで国費を使い進める判断をした。工夫に関しては、もう一度考える。

【上甲メモ】子ども達の安全を考えると一次避難ということも視野に入れて考えてほしい。

財政

Q.予算の確保に関して「行財政構造改革プランの中で十分に実現できるもの」と答えた財政的根拠は?

A.(室長)再構築の費用は実現可能な範囲である。子育て拠点整備の効果額を見ている。

Q.令和4年の時点で子育て拠点整備の効果額が累積で1,081万円ということは、財政シミュレーション(行財政構造改革プラン)の令和4年の累積赤字が2億2,800万円の赤字に対して全然足りていないのではないか?

A.(室長)全体的には計算してみないと分からない。令和3年までにある程度の効果を見込んでいるのでシミュレーション的には予測値であるが若干効果が出る。

Q.全然納得できない。どういう根拠で「大丈夫」というのか?

A.(市長)これは端的でございまして、行財政構造改革プランは歳入の確保も図り、歳出を適正に縮減しながら充実を図り、それによって必要な投資をすることが出来る。「━」をしっかり埋めていくことで実現できる。

Q.机上の論理でなく、「いけます」という根拠が見えない。もっともっと考えなければならないんではないか?

A.(市長)もっともっと考えている。ふるさと納税3億円はどんなことをしても稼げ、と言っている。何としても目標を掲げたものについては達成していく。

Q.財政シミュレーションの継続した審議が必要だが?

A.(室長)現在取りまとめている。また折を見て報告をしていく。

Q.財政は大きな判断材料になる。A案「公立1民間3」B案「公立3民間1」の中でB案に決まった。その時に財政の検討はどうなっていたのか、そのあたりも踏まえて検討しなければならない。

A.公立としての役割を説明しながらここまで来た。そこのところはご理解賜りたい。

【上甲メモ】役割は十分説明してもらってますけど、財政とかの根拠は結局しめされませんよね。何なんでしょう?

量の見込み

Q.子ども達、令和5年の見込みはどうなっているか?

A.(課長)現在の子ども達(1号2号3号認定)は1,341人、令和5年度は1,214人になる推定。

Q.私立の幼稚園・認定こども園の定員合計は1,196人である。公立に通う子ども達の見込みはどうなっているか?

A.(課長)私立・公立で分けるカウントをしていないので、その部分はお答えできない。

Q.阪南市の人口がすごい減っている。まだまだ減る。そうなった時に公立3つは適正配置か?

A.(部長)子ども・子育て会議で議論いただいている。公立保育はセーフティネットとして、一定量必要である。

Q.公立3民間1という数が適正か?また見直す余地があるのか?

A.(課長)これまでのプロセスを踏まえた上での計画である。この計画については、この形で進めていきたい。見直しに関しては考えていない。

Q.市長、ふるさと納税など予算の確保ができなかったとしたら、子育て拠点整備もう一度見直す気があるのか?

A.(市長)なんとか、ふるさと納税は3億円は達成する。すべての行財政構造改革プランの計画全体を総力を挙げて達成していく。

Q.とりあえず、この子育て拠点再構築方針について見直さないということで良いか?

A.(市長)質問の趣旨がうまくとらえられない。この計画は達成すべきもので、変えるためのものではない。この計画にすべて細かく書き込んでいるわけでないので、これからも議論をしていただけなければいけない。ニーズの推移を見定めながら、基本方針はこのままで、微調整をする姿勢は持っている。

Q.ニーズ調査を行ったうえで、現在の計画の公立が民間になる余地はある、という受け止めで良いか?

A.(市長)そのようなところまでの回答はしづらい。この基本方針の中でやっていく。ニーズ・国の支援も見定めながら、よりよい方向の中で微調整する姿勢は持っている。柔軟にとらえていく。

【上甲メモ】全然、柔軟な答えじゃないですよね。市民は「何言うても無駄」という空気になっています。市民協働などいうなら、もっと市民の声を聞かなければならない。根拠が全然ないままで「とりあえず」みんなで一歩踏み出そう、というのは違う。

Q.下荘に関しては「財源確保の上、公立」とあるが、財源確保が出来なければ民間で、という理解でいいか?

A.(課長)公立で整備するためには多くの財源が必要なことから、あえて財源確保が必要と書き込んでいる。

【上甲メモ】そんなこと知ってます。

Q.「財源確保の上」というような条件が、この方針全体に入れば、いろんな選択肢が広がるのではないか?

A.(市長)悪いことの「たられば」を並べても仕方ない。行財政構造改革プランありきのこの計画である。お金があれば、様々な工夫ができる。

【上甲メモ】進捗を踏まえて調整をしていくという理解をしたい。(むずかしいけど)

尾崎幼保

Q.尾崎幼稚園の位置はメリットが多い。なぜ尾崎中学校の位置になったのか。

A.(部長)用地面積、道路幅員、工事にかかる期間(工事のやりやすさ)などを踏まえて尾崎中学校の位置を選定した。

【上甲メモ】現尾崎幼稚園の位置(面積も十分広いですし、道路幅員に関しては解決できます)や旧尾崎公民館の位置は事業展開・継続するうえでメリットも多い。しっかり事業者に説明する際に、選択肢の一つとして照会してほしい。

Q.市長はどう思うか?

A.(市長)自然豊かな阪南市において、より広い土地を提供し、今まで阪南市になかった園を作ってほしいと考えている。計画通り進めてまいる。

プロセス

Q.説明会で、「石田と下荘を引っ付けるのは遠い」とたくさんの意見があった。もともとのA案では、はあとり幼稚園と石田保育所が引っ付いていたので、こんな問題にならなかったはず。地域の子育てのあり方をしっかり考えると、こんな問題にならないのでは?

A.(課長)子ども子育て会議での答申を踏まえて説明、それ以後何度も説明、パブコメを重ねてきた。そのうえ、この方針案を策定しているので、現状この計画で進めたい。

【上甲メモ】もっと寄り添わないと反発は膨らんでいきます。「もともとこういう計画だから」だけでは済みません。

Q.ラウンドテーブルの現状は?

A.(課長)年内の実施を予定している。構成は私立幼稚園・認定こども園、公立幼稚園・保育所と考えている。

Q.実施的な内容はラウンドテーブルで揉んでいくということで間違いないか?

A.(課長)ラウンドテーブルはそれぞれの園所の子どもの関りについて共有していきたい。どちらかというとソフトの話題である。

Q.ラウンドテーブルに期待したいことは?

A.(市長)公民の役割についてはラウンドテーブルだけに任せるわけにはいかない。運営上の様々なことについても自由に意見交換をしてほしい。

【上甲メモ】ラウンドテーブルとは何者か、まったく定まってませんね。子ども子育て会議はよくこんな会議体にあとの議論を任せたものだと思います。

Q.プロセスとして、今までこの方針に関しても一度の議決もしていない。議会に諮るタイミングはどこか?

A.(市長)予算で議決を諮っていくものである。

Q.本日の答弁のように、「とりあえずこのまま行かせてくれ」という調整しろのない状態で進むのは問題である。のちのち大きな問題に膨らまないように上手に市政運営をしてほしいと思うが?

A.(市長)これは長く紆余曲折の中で積み上げてきた方針案である。なにとぞ理解をしてほしい。この方針の中で議論いただきたい。

上記の他にもいろんな委員から質問もありました。詳しくはyoutubeをご覧ください。

最終的に私から「休憩」を申し入れ、委員だけで話し合った結果、委員会の総意として、以下のようになりました。

この方針(案)については継続審査にいたします。

・プロセスの問題(利用者の説明が不十分) ・ラウンドテーブル(内容、時期について) ・財政シミュレーション 上記について煮詰まったうえで審査をする。

このような結果になりました。上記の質疑答弁を見ていただくと、根拠なく進んできている所や、なかば強引に決めブルドーザーのように進んでいるところがある。この市長の進め方に対して「待った」を出した形になりました。冒頭申し上げましたが、これは市政を滞らせたり、逆戻りさせたりするものではなく、前向きに進めるための手続きです。子ども達の安全確保については、予定通り進めてください、くれぐれもよろしくお願いします。

・・・疲れ果てましたが、これからも阪南市の明るい将来のために、子ども達のために頑張っていきたいと思います。お疲れ様でした。

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