先日、阪南市のホームページで財務省によるヒアリング結果が公表されています。
これは今年の9月に行われた財務省(近畿財務局理財部融資課)による阪南市の財政(内容は平成30年度なので2年前の資料)をチェックしてもらったものになります。阪南市の財政は大丈夫(留意すべき状況にない)なのか、危険(留意すべき状況にある)のか。。。(※この2段階で診断されます)
詳しくはこちらをご覧ください。
おおかたの予想通り「危険(留意すべき状況にある)」であるという診断です。
評価の文章・グラフが難しいので、上甲独自でカンタンにまとめますと、、、
借金を返す能力について(債務償還能力)
・全部の借金を返すのに60.4年かかります→×長すぎます(類似市町村の平均は12.3年です)
・全部の借金はひと月の収入の11.8月分です→〇大丈夫(18.0月分を超えるとだめです。ただし類似市町村の平均は9.9月分)
・借金の返済に回せるお金は収入のうち1.6%です→×少なすぎ(基準値は10.0%、類似市町村平均は9.0%)
資金繰りについて(資金繰り状況)
・貯金はひと月の収入の1.7月分です→×少なすぎ(基準値は3.0月分、類似市町村平均は3.9月分)
以上のことから
阪南市は「借金が多すぎる」ってことはないのですが、「収入が少なすぎる」&「貯金が少なすぎる」ので「危険(留意すべき状況にある)」って評価になります。
【「借金が多すぎる」ってことはない】ってどういうこと?
阪南市は24年ぐらい前は桃の木台の小中学校などの事業で借金たくさんあってヤバいってなりましたが、当時「財政再建」頑張って一時だいぶ回復しました。
8年ぐらい前から事業たくさんやる方向に転換したので、また借金のピーク時の水準に達してます。でも、国民健康保険の赤字を解消したり頑張るところは頑張ったのでとりあえず今のところセーフです。
【収入が少なすぎる】ってどういうこと?
収入は
・企業数が少ない
・地価が低い
ので、税収が低すぎで、類似市町村86団体の中で81位です。
支出は
・職員の平均年齢が高い
・児童給付費など福祉を充実している
・清掃施設の改修で補助費が上がってる
・業務委託や指定管理者制度により物件費が上がってる
・高齢化が進行して繰り出し金が多い
ので、どんどん悪化しています。
【貯金が少なすぎる】でどういうこと?
ふるさと納税では貯金ちょっと増やせましたが、
・和泉鳥取駅・鳥取ノ荘駅の整備
・総合こども館の中止
・国民健康保険の赤字解消
・清掃施設の改修
などで貯金を取り崩してます。(8年連続で取り崩しています)
今後の見通しは?
3年前に「財政健全化計画」をつくったり、2年前に「行財政構造改革プラン」をつくったりして財政の改善に取り組んできたけど、依然3年後には累積赤字になってしまい、イエローカード(詳しくはこちら)の危険は回避できていない。
阪南市は人口一人当たりの公共施設の床面積2.91(㎡/人)は多すぎます。(全国の公営住宅を持っていない同規模平均2.30(㎡/人)、大阪府市町村平均2.72(㎡/人)) 25年後までに公共施設32%削減して2.30(㎡/人)にするって計画あるけど頑張ってくださいね。
公共施設の老朽化もひどくて(築30年以上が61%)今後もっとお金かかります。
色んな財政計画たてているけど、そこには、
・新しいゴミ焼却施設(これは絶対必要、数十億の負担)
・子育て拠点の整備
など含まれていない大規模事業もある。かつ、将来にツケを回し過ぎたら事業の実施時期が集中することも考えられるので、引き続き財政改善に努力してください。
写真は記事とは関係ありません。さとうみ公園と松ぼっくりです。