阪南市の財政。ホントに難しい財政を出来るだけ「カンタン」にお伝えしてみます。

2年半ほど前にもブログで特集組みましたが、本日は「阪南市の財政」についてです。2年半前にならって記しますので、内容が重複するところがあります。

財政は私の不得意分野の一つですけど、市政で一番大切な部分ですので、しっかり担当部局の皆さんに教えてもらいながら、しっかり勉強しています。あ、一つお断りしておかなければなりません。本日はまだ議会中で、先日阪南市でも決算審査特別委員会が開かれ、平成26年度決算については承認されたとはいえ、最終議決は28日(月)の議会にてですので、とりあえず現時点での情報としてご理解ください。

さてさて、財政が「いけてる」のかどうか見る数字って、スゴイたくさんあります。

それらの中で大切と思われる4つについて説明と検証をしたいと思います。いいですか?出来るだけ「カンタン」に行きますけどね、一応気合い入れておいてください。

(1)経常収支比率(けいじょう しゅうし ひりつ)

はい、難しいコトバにもう諦めてはいけません。

「市が一年間で使えるお金」の中で「絶対払わなければいけないお金」の割合(%)です。払わなければいけないお金とは、人件費・生活保護費・借金の返済費用などです。たとえば年間1,000円使えるお金があって、経常収支比率が70%だとすると、1,000×70%=700円が「絶対払わなければいけないお金」、すなわち300円が自由に使えるお金になります。ということは割合(%)が小さければ小さいほど、自由に道路を直したり、子育て・教育に力を入れたり、産業振興・観光を充実させたり、諸々ができるということです。

とにかく阪南市の数字を見てみましょう。

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平成26年度、阪南市は99.8%です。

先ほどの例で言うなら年間1,000円使えるお金のうち、998円は「絶対払わなければいけないお金」、ということは自由にできるお金は1,000円のうち、2円ということになりますね。キビシイですね。(汗)

経常収支比率は70%~80%が健全と言われていますが、近隣を含めて現実の数字を見るとなかなか難しいようです。

近隣(平成25年度)で言うと、忠岡町104.34%、岸和田市100.49%、泉佐野市99.35%、泉南市96.58%、岬町95.72%、田尻町67.79%(ちなみに平成25年度は阪南市95.24%)

どこも90%オーバーの中、田尻町ごいっすね。田尻町は面積が小さく、人口も少ない、そして町の面積の3分の2は関西国際空港で、税収も上がる、ということが財政的にはとてもゆとりがある理由です。

大阪府下(経常収支比率)を見てみますと、

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こうなっておりますので、大阪府下ほとんどが90~100%であると言えます。阪南市は平成26年度は多めですが、ほぼ平均で推移しています。

(2)積立金現在高(つみたてきん げんざいだか)

これは貯金です。

阪南市の貯金の総額を見てみます。

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平成23年の40億円をピークに少しずつ下がって平成26年度は32億円です。

近隣(平成25年度)で言うと、岸和田市70.1億円、田尻町52.7億円、泉佐野市47.8億円、泉南市34.2億円、岬町14.0億円、忠岡町10.4億円(ちなみに平成25年度は阪南市36.7億円)

田尻町。。。すごい。。。阪南市もなかなかのモノです。ただ、貯金は多いのだけが良いのではなく、適正な金額を保ちながら市民サービスもしっかり保つ。それをチェックするのは我々議員の仕事です。(頑張ります!)

(3)地方債現在高(ちほうさい げんざいだか)

こちらは市の借金です。

阪南市の借金総額を見てみます。

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平成26年度は阪南市165億円です。

平成22年度で跳ね上がっているのは鳥取中学校の建て替え工事があったからです。それ以後あまり減らない(むしろ少し増えてる)のは小中学校の耐震化工事、国・府の力を借り絶妙なタイミングで「子ども達の安全な教育環境づくり」に積極的に力を入れているからです。

地方債現在高、近隣(平成25年度)で言うと、泉佐野市811.5億円、岸和田市802.0億円、泉南市316.2億円、忠岡町89.5億円、岬町73.6億円、田尻町17.5億円(ちなみに平成25年度は阪南市164.4億円)

これも先ほどの積立金現在高(貯金)と同じで、適正なバランスが必要です。

(4)将来負担比率(しょうらい ふたん ひりつ)

最後に将来負担率。

これは、市が将来負担する必要がある借金が、その自治体の財政の大きさに占める割合、すなわち、どれくらい「子ども達にツケ」を回しているかの数字です。

まず阪南市を見てみます。

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平成26年度は阪南市56.8%。

近隣(平成25年度)で言うと、泉佐野市302.10%、泉南市138.10%、忠岡町136.20%、岬町126.40%、岸和田市97.00%、田尻町0%(ちなみに平成25年度は阪南市56.00%)

田尻町はもちろん低いですが、阪南市もなかなかです。大阪府下全体で見てみますと、

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北摂や河内の方には及びませんが、阪南市もずいぶん頑張っている事が分かります。

まとめ

阪南市の現在の状況を見ると、財政的には大変厳しく、決してゆとりはありません。しかし、今できる限り子ども達に出来るだけツケが回らないように一生懸命頑張っている。

もちろん阪南市は国保料が高いなどの問題はありますけど、それも将来のバランスをしっかり考えてのこと。私は議員として1点だけを指摘して反対しません。

もう一つ言うと、上の数字には表れていませんが、阪南市財政は慢性的な市立病院の赤字補てんから解放され、平成28年度からはしっかりと市政に打ち込める、というのも大きな特徴です。

いずれにしましても、約10年前に言われていた「財政再建化団体になるのでは!?」という状況からは遠く離れた、ということです。市民の皆様におかれましては安心してください。

これからも一議員として、市政と共に子ども達の将来のために頑張っていきます。

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