《わかる行革(7)》そもそも阪南市の財政ってそんなに急激に悪くなったのか?

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厚生労働省 大阪府 阪南市 コロナ専門家有志の会

そもそも阪南市の財政って急激に悪くなったのか?

市民の皆さんとお話ししてて、「今、市に何お願いしても『お金ないんで』って断られる」というのは、ここ最近の「阪南市あるある」になっています。

市長が議会で「市長になって改めて阪南市の財政が厳しいということを実感した。」と言っていることに端を発し、数々の議会答弁も踏まえ、あたかもここ4、5年の市政が原因で阪南市の財政危機に陥り、そのせいで現在、行財政構造改革プランの実行中であるというような錯覚に陥りますので、ここで事実を認識し、しっかり正しておきたいと思います。

今回は気合を入れてみてくださいね、細かいです。ここ30年ほどの阪南市の行財政改革年表です。パッと見ても分かりますよね。阪南市はこれまで行財政改革をいろんな名前で何回もやってきています。代表的なものをまとめますね。


1985(S60) 阪南町行政改革大綱

町の行政改革の基本
都市基盤整備の推進により充分な取組みができなかった
バブル経済の崩壊
義務的経費や投資的経費の増加に伴い財政状況は急速に悪化

1995(H7)阪南市行財政改革推進計画

行財政改革緊急推進に関する基本方針

1997(H9)阪南市行財政改革実施計画

各担当部局の事務改善や予算節減で対応不可、全組織的な取組み
・計画期間(1997-2014)
・短期行動指針(1997-1999)
災害等に備え、財政調整基金の最低留保額は約5億円
財政収支見通しの歳入が当時の景気回復基調をベースに策定
実質的な収支差は計画どおりには縮小しなかった

○ 一般経費の削減
・ 予算要求限度額制度の導入
民間委託の活用と見直し
公益施設の管理運営の効率化
既存施設の有効利用
利用団体への管理委託の可能性の検討
幼稚園の適正配置・効率的管理運営
・ OA化の推進 など
○ 受益者負担の整理
○ 補助金の見直し
○ 施策選択の見直し
・ 投資的事業の計画的実施
・ 効率的な福祉行政の展開
・ 都市計画税の見直し
組織機構の見直し
定員管理 など

景気回復の糸口が見出せないなかにあって、こうしたやり繰りも限界

2002(H14) 阪南市財政再建実施計画

分権時代にふさわしい柔軟でスリムな行財政運営システムの構築
・財政再建緊急5ヵ年(2003-2007)
財政再建に向けた具体的な取組み方策と目標効果額
緊急に対応すべき取組み
1.歳入確保に向けた取組み
徴収の強化、使用料・手数料等の定期的な見直し、未利用財産等の処分
2.歳出削減に向けた取組み
人件費の抑制、職員定員の削減、定年前早期勧奨退職制度の実施
抜本的な構造改革に向けた取組み
1.柔軟でしなやかな行財政構造の確立
廃止:市営住宅、市税前納報奨金、敬老祝金、福祉バス、幼小中学校卒業記念品、特色ある幼稚園づくり
其の他:事業別予算編成の導入、住民センターのあり方の検討、外部委託(アウトソーシング)の導入↓
文化センター
図書館
公民館
体育館
老人福祉センター
火葬場
幼稚園
保育所
さつき園
まつのき園
たんぽぽ園
2.ハコモノ行政からの脱却と民間活力の活用
PFI(民間活力による社会資本整備)
3.広域連携によるフルセット主義からの脱却
4.分権時代にふさわしい地方税財政制度の抜本的改善に向けた要望
市民主権の市政実現に向けた取組み
1.開かれた市政の実現
意思形成過程の透明化など開かれた市政の実現
2.協働の市政の実現
協働のまちづくり(福祉・環境分野等)
3.電子市役所の実現
4.職員の意識改革の推進

2006(H18)第二次財政再建実施計画

持続可能な行財政運営システムの構築
・計画の期間 2007-2011

歳入増加の取組み:市税徴収率の向上、未利用財産等の処分
歳出削減の取り組み:住民センター管理運営事業の見直し、駅前の自転車駐車場の有料化
民間委託等の推進:指定管理者制度の活用、公民館と図書館は2010(H22)に指定管理導入予定(効果額は年間5千万程度)
施設維持管理費の見直し
事務事業の見直し:受益者負担の適正化

特別会計等の経営健全化の取組み
定員管理の適正化
給与・手当の適正化


・・・ざっと、上げましたが相当な内容量があります。詳しくは市のホームページに。

さて、、、私のブログを普段読んでいただいている人はもう一つ気づくはず。そう、「行財政改革って毎回同じような内容ちゃう?」・・・そうなんです。特殊な項目は「幼稚園の適正配置」「市営住宅の廃止」「福祉バスの廃止」など、数えるほどでその他はほとんど同じような内容ばかり。これが、「乾いた雑巾を絞りなおす」と言われる所以です。

「住民センター」「未利用公共施設」「民営化」「広域連携」などはもはや行革の常連です。毎回上がるのに出来ていないことが問題であると言えるでしょう。今回の行財政構造改革プランも老人福祉センター、借地解消、未利用財産など、すでに先送りされた感のある問題も多くなってきました。市長のリーダーシップ(といってもあと任期6か月ほど)が必要です。

最後に申し上げますが、阪南市の財政は決して豊かではなく脆弱な状態ですので、行財政改革は必要です。ただ、必要以上に不安を煽ったりする必要はなく、節約すべきは節約し、実行するものはすぐ実行し、投資すべきに投資をする。一日一日を大切に前向きに取り組む。そこに人の上げ足を取ったり、恨み妬みで政治をやっている余裕はありません。市民一人一人がワガゴトとなって阪南市の現状と将来を考えていただければ大丈夫だと思います。

行革特集は特集はまだまだ続きます。

 

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《わかる行革特集》バックナンバー

(1)阪南市の行財政構造改革プラン(行革)の進捗状況特集を始めます。

(2)行財政構造改革プランを取り巻く大きな問題、子育て拠点整備。

(3)老人福祉センター廃止 → 介護予防拠点として復活

(4)阪南市が長年お借りしております「借地」の解消について

(5)英語教育指導助手(ALT)は削減 → 一転、充実へ。

(6)未利用財産(公有地・公共施設)の利活用・処分は遅々として。

問題ばかり指摘して解決方法はどうするんだ!という方は、さかそう通信の38号に7つの改革としてまとめさせていただきましたので、ぜひご覧ください。

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